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Q&A

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遺言を残したいのですが、どうしたら良いでしょうか。
また、遺言の種類にはどのようなものがあるのですか。効果は違うのですか。
遺言(法的には「いごん」といいます)の方式には、普通方式と特別方式があり、普通方式に[1]自筆証書[2]公正証書[3]秘密証書(民法967条)、特別方式に[4]危急時遺言[5]隔絶地遺言があります。一般的に簡単なものは、自筆証書ですが、全文、日付、氏名を自書し、押印することなどが要件となります。一方で、公正証書の場合、作成を公証人に依頼することとなります。
弁護士としては、相続時の紛争(たとえば、紛失、偽造、変造などの争い)を避ける意味で、公正証書をお勧めしますが、費用がかからない自筆証書を選択することもできます。いずれにせよ、法的知識のある者にご相談されることをお勧めしますし、一定の年齢になったら、相続人のためにも、遺言を作成されることをお勧めします。
遺言を作成するに際し、遺留分による制限について教えてください。
たとえば、相続人の一方にすべての財産を相続させたいと思い、遺言を作成しても、他方の相続人の遺留分を侵害することはできません。兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属)が遺留分権利者です(民法1028条)。胎児や代襲者も含まれます。遺留分率は、直系尊属のみが相続人となるときは、被相続人の財産の3分の1、その他の場合は、被相続人の財産の2分の1です。遺留分減殺請求権は、1年の短期消滅時効にかかるので、「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年かつ相続開始の時から10年の期間内に意思表示することが必要です。(民法1042条)
相続登記は、いつまでに申請しなければならないのでしょうか?
不動産をお持ちの方が亡くなった場合には、「相続」による所有権移転登記を行いますが、亡くなってから何ヶ月以内に申請しなければならないというような期限は特にありません。ただし、住民票や戸籍などの保存年限を経過すると手間や費用が余計にかかることがあります。相続登記はお早めに。


遺言にはどんな方法がありますか?
遺産を巡って遺族が争って「相続」じゃなくて「争族」です、などという笑えない話もありますので、遺言の作成を検討なさってみてはいかがでしょうか。
遺言にはいくつかの方式がありますが、おすすめはなんと言っても公正証書遺言です。公証人の先生が、きちんとした遺言を作って下さいますので安心です。もちろん、自筆で作成した遺言も一定の要件を満たしていれば有効ですが、内容によっては大きな問題を残すことがあります。

例えば、「自宅を太郎に譲る」という内容の遺言を考えてみましょう。
[問題点1]
「自宅」というのは具体的にはどの不動産なのかが不明確です。万が一亡くなる直前引っ越していたら?
[問題点2]
長男の太郎さんのつもりで「太郎に」と書いても、世の中に太郎さんはいくらでもいますよね。
[問題点3]
「譲る」というのは、「相続させる」という意味なのか「遺贈する」という意味なのか分かりません。実は「相続」か「遺贈」かで、登記手続も費用もずいぶん違ってくるんです。

このように、せっかく作った自筆証書遺言でも残念ながら登記や預金払い戻しなどの手続きには使えない、ということは実際によくあります。遺言を検討されていらっしゃる方は是非一度ご相談ください。
相続税がかかるかどうかの判定基準を教えてください。
被相続人の財産が、基礎控除額[5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)]より大きい場合で、あなたがその財産を相続する場合には、相続税がかかる可能性が大きいので、被相続人の財産を正確に評価しましょう。ただしあなたが被相続人の配偶者で、あなたのもらった財産が1億6千万円もしくは法定相続分より少ないときは相続税はかかりません。


相続した財産を売却すると税金の特例がある?
相続税の納税のために相続した土地を売却した場合には、相続税が経費になります。相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年以内に、相続した財産を売却した場合には、相続税額のうち一定額の売却物件の取得費に加算する(つまり経費になる)特例があります。これは相続税の納税を考慮し、譲渡所得税を軽減する特例です。具体的には売却物件が土地等か、それ以外かによって取得費に加算できる額が違ってきます。

家族の亡くなったときに必要な年金の手続きは?
年金を管轄する役所に提出する主な書類は次のようなものがあります。
[1]死亡届
[2]未支給年金請求書(本人のもらい残しの年金を家族が受け取ります)
[3]遺族年金裁定請求書
老齢年金、共済年金など複数の年金を受給していた場合、役所毎に書類を準備する必要があります。
老齢年金を受給していた方が亡くなった場合にいつの月の分までの年金が支給されるかご存知でしょうか?
答えは亡くなった月の分までが支給されることとなっています。
死亡月は本人が不在ですのでご家族が代わって受け取ることになります。
この手続きを未支給年金の請求手続きといい、社会保険事務所など年金を管轄する役所に提出する死亡届と合わせて書類を提出することになっています。

一つの土地を数名で相続する事になり、それぞれ個別で土地を取得したいのですが、どのような手続が必要ですか?また、相続登記を先にすればよいですか?
法務局への土地分筆登記が必要になります。
分筆登記を申請するには、確定実測と言われる測量が必要になります。確定実測とは、隣接する所有者の皆様と境界について現地にて立合確認を行い、合意後には境界石等を埋設し境界確認書等に署名、押印を頂きます。また、隣接地に官地(市区町村等の所有地)がある場合には、境界確認申請願等を役所に提出の上、打合せ、現地立合を行い確定図面を作成し、署名押印の上、提出。後に役所からの境界証明が発行されるという手順になります。
通常は、役所の立合時に隣接地の皆様とも一緒に立合確認を行い、役所に提出する図面や、承諾書等に(官地に接している)隣接者や対岸の所有者の方々からの署名押印を頂くことになる事が多いです。その上で分筆図面を作成し、分筆ラインに境界石等を埋設し役所の境界証明、隣接地の皆様の境界確認書等を添付の上、分筆の申請となります。分筆の申請は被相続人名義で行うのが通常です。(委任状は相続人の方々より押印いただきます)これは登録免許税の二重の負担を避けるためのものです。被相続人名義での分筆登記完了後に相続登記となります。(相続登記は司法書士の先生にお願いする事になります。)
相続財産の登記の申請人について教えてください。
まず、報告的登記(不動産の現況が変わり現況に登記を合わせていく)と呼ばれる登記については、相続人1人からでも申請できます。
◎主に建物表題部変更登記、建物滅失登記、土地地目変更登記、土地地積更正登記など

次に、形成登記(申請人の意思を登記に反映させる登記)と呼ばれる登記については、相続人全員の申請となりますので、反対者が一人でもいれば申請できません。
◎主に土地分筆登記、土地合筆登記など

最後に、建物表題登記については、相続人が直接申請人となる事ができます。
相続財産の中に登記がされていない建物があるのですが、どうしたら良いですか?
まずは、その建物を誰が相続するかを確定する事です。
相続人が確定出来たならば、遺産分割協議書を作成し、建物表題登記を申請します。
(土地家屋調査士業務)
建物表題登記完了後、 所有権保存登記の申請となります。(司法書士業務)
但し、すぐに取毀す予定ならば、登記は不要です。
相続した未登記の建物の表題登記を自分で申請する事はできますか?
もちろん所有者(相続人)本人が作成、申請する事ができます。
但し、登記申請の際には、多くの決まり事や、図面や申請書の作成方法、 添付しなければいけない書類など、一般の方には、なかなか厄介な事が多いと思われます。
又、床面積の計算などでも、建築確認では含まれているのに登記申請時には除外しなければならない部分などもあり、最近の建物などは、私達でも迷ってしまうような建物もありますので、時間の余裕のない方は難しいかもしれません。
相続した財産の中に、現在は存在しない古い建物がありました。
どうしたら良いですか?
被相続人名義のままで、建物滅失登記を申請します。
相続登記は不要です。 建物滅失登記については、申請書を作成し、相続証明書(相続を証明する戸籍等、遺産分割協議書など)及び滅失証明書(解体業者もしくは市区町村による)を添付すれば相続人の一人からでも申請する事ができます。
図面等を作成する必要が無いので、比較的 本人が作成申請する事がしやすい登記だと思われます。時間に余裕のある方は頑張ってみて下さい。